産業分野別の展望 |
資源・エネルギー分野
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低炭素化を実現するための省エネルギーと、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換が進行
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新興国を中心に化石燃料の需要は底堅く、資源の争奪・囲い込みが激化する可能性が大
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各国の政策および国家間の関係といった政治的なファクターに左右される度合いが一段と拡大
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「都市鉱山」に象徴される資源リサイクルの事業も成長分野に
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農林水産業では、資源供給産業としてだけではなく、娯楽性、文化性、教育性を活かした展開も
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素材分野
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低炭素化の潮流やニーズの高度化を受けて、軽量化、強靭化等、機能強化した新素材の要請が拡大
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金属系、化学系、土石系(ガラス、セラミックス等)、繊維系等での新素材開発の進行を受けて、機械、アパレル、建設等、さまざまな領域で用途と素材の関係が変化する「素材転換」が生じる可能性
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新たな用途、市場を獲得する素材を生産する産業・企業が急成長する一方で、用途と市場を奪われる素材を生産している産業・企業は後退し苦境に立たされる可能性も
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機械分野
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新興国で各種耐久消費財の普及が急速に進む一方、先進国では更新需要が中心
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製品と生産プロセスの両面での低炭素化対応が競争力のカギに
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EVの本格普及にともなう自動車の「家電化」で機械産業全体のマップが大幅に書き換わる可能性も
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業務用に続いて家電や自動車でも「販売からリース、レンタルへ」「所有から利用へ」の流れを想定
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インフラ・建設分野
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人口動態の変化(増加、減少、集中、移動等)、ニーズの高度化、低炭素化といった潮流に対応するために、都市や産業立地の再配置、各種インフラの強化・拡充を迫られるケースが増加
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新興国では経済発展の本格化にともない、通信、輸送、水、エネルギー等の産業インフラに加え、交通、住宅等の生活インフラの整備が加速する一方、先進国では老朽化にともなう更新需要が拡大
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運輸・物流分野
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化石燃料価格の上昇にともなう輸送コスト体系の変化を受けて、物流では自動車輸送から鉄道、海運へのモーダルシフト、個人の移動においては自家用車から公共交通機関へのシフトが進行
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多頻度配送の見直しや、混載輸送の拡充など、輸送効率の改善を目指した試みが増加する可能性
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輸送コストの上昇にともない、運輸業や卸売業では、輸送手段の提供や輸送サービスに加えて、物流最適化を実現させるソリューション・プロバイダー的な役割が重要な事業領域に
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情報・メディア・通信分野
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コンテンツ、ソフトをはじめとする情報創造型産業への期待
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低炭素化に向けたエネルギー分野での活用(スマートグリッド)や、交通・輸送、医療、教育、セキュリティ等、各種のサービス、社会システムの高度化、効率化のための基盤技術の提供
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生活分野
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先進国では、新市場創出においても、既存市場の活性化においても、ニーズの残る「環境」「健康」「安全・安心」「娯楽」「文化・教育」がキーワードに
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典型的な成熟市場ながら、上記のニーズが重なる「食」の分野にも要注目
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新興国では、当面は先進国を後追いする形で、住宅や耐久消費財の普及と嗜好品・サービスの消費拡大が急速に進行することを想定
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途上国では衣・食・住および医療、教育、治安といった基礎的なニーズの充足が喫緊の課題だが、基礎的な機能をきわめて低いコストで実現する「BOPビジネス」にも注目
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