ITに明け暮れた2000年
2000年、日本のビジネス界はITに明け、ITに暮れた。新聞や雑誌でITという言葉が目立ちはじめたのは、99年の夏ごろのことであるが、本格的にブレイクしたのは年明けであった。きっかけは、多くの企業経営者の「年頭の辞」ではなかっただろうか。新年早々の新聞には、「IT化に乗り遅れるな」、「ITで苦境を抜け出そう」など、IT、ITの活字が躍った。
下図は、日経四紙に載った「IT」という言葉が登場する記事の件数を月ごとに追ってみたものである。見てのとおり、2000年の年明けを境に、ITに触れた記事は急激に増加している。1年を通してみると11,557件。これは、97年の「規制緩和」(4,639件)、「ビッグバン」(2,471件)、92年の「バブル」(3,130件)などと比べても、桁違いに大きな数字である(以上のデータは日経テレコン21の新聞検索サービスによる)。
ITに対する認識は、2000年の初めごろには、不況脱出の突破口というようなとらえ方が一般的だった。しかし次第に、「IT革命」という言葉とともに、より大きな視野でとらえた認識も広まっていった。ITとは、産業構造や企業の仕組み、さらには私たちの生活全般に劇的な変化を及ぼすものだという認識である。
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