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text014 2003年2月4日
頑張れ「ザ!鉄腕!DASH!!」

 「DASH村、焼ける」。私にはショッキングなニュースでした。ご存知ない方のために簡単に説明しておきますと、「DASH村」というのは、日本テレビ系で日曜日の午後6時55分から放送している「ザ!鉄腕!DASH!!」という番組のなかの企画で、ジャニーズ所属のアイドルグループ「TOKIO」のメンバーが山間の廃村に作った、農作業や家作りを経験するための集落というか施設というか、のことです。(詳しくは、番組のwebサイト、http://www.ntv.co.jp/dash/をご参照ください。)

 このDASH村作りも含めて、この番組には面白い企画が多く、我が家では毎週楽しみに観ておりました(夏場は野球中継が多く、月1回程度の放送ですが)。一昨年からのロンドンでの研修中も、番組のwebサイトで、動向をチェックしていたくらいです。TOKIOについても、この番組がなかったら、多分まったく興味を持たなかったと思いますが、今では、長瀬君と浜崎あゆみの「熱愛報道」とか、松岡君が大河ドラマで佐々木小次郎役を演っているとか、結構関心を持って見ています。

 そうしたなかで1月19日の放送で知らされたのが、冒頭に書いた火事のニュースで、炊事の火が原因で木造の家屋が一棟全焼したとのことでした。このところ、不祥事や世間の批判を浴びたりで番組や企画を終了させる事件が相次いでいたこともあって、この企画も頓挫してしまうのではないかと、たいへん心配したのですが、幸い番組も企画も継続される方向のようで、ひとまずはホッとしております。

 この番組のどこが面白いのか、なぜ面白いのかといったあたりは、あちこちで語られていますので、ここでは深くは触れませんが、私がこの番組に注目しているのは、たいへん楽しんで観ていたことに加えて、当サイトのテーマでもあります「未来経済」の姿を想像させるコンテンツが次々に登場してくるためでもあります。そのなかでも一番のポイントは、「消費活動と生産活動の融合」というコンセプトです。もっと身近な言葉で言えば、「遊びが仕事になり、仕事が遊びになる」ということです。この考え方や理屈は下に載せたレポートなどで紹介していますが、「ザ!鉄腕!DASH!!」では、それを具体的なイメージとして鮮やかに見せてくれます。

 昔ながらの農作業や大工仕事、ソーラーカー作り、廃船の再生など、本来は「仕事」であったような活動が、厳しさのなかに楽しさを味わえる「遊び」として取り上げられます。その仕事に携わっていた達人たちが、今度は「仕事遊び」の先生という役割で登場してきます。その多くが田舎のお年寄りですが、そういう関係は、高齢化社会の理想像を示すものだとも言えるでしょう。また、インターネットや携帯電話のような新しいツールを使った視聴者参加の鬼ごっこやカン蹴り遊びなど、私も仲間に入ってみたいと思うような楽しい「遊び」も次々と登場しますが、そこにも新しいビジネスのヒントがありそうです。

 そんな企画の一つ一つが、異端エコノミストとしての発想を刺激してくれているわけで、私にとっては、ただ楽しいだけのテレビ番組ではないのです。私がこんな場で言っても仕方のないことではありますが、

 未来経済研究室は、「ザ!鉄腕!DASH!!」と「DASH村」を応援しています。


関連レポート

■日本農業の産業化への期待
 (三井物産戦略研究所WEBレポート 2012年6月19日アップ)
■日本の農業の未来像−DASH村モデルの将来性−
 (読売ADリポートojo2003年4月号掲載)
■これからの仕事−21世紀、豊かさは仕事から−
 (読売ADリポートojo2000年12月号掲載)
■転機を迎えた情報優位の時代−未来のカギとなる生産と消費の融合−
 (読売ADリポートojo2000年8月号掲載)
■消費者による消費者のためのビジネス
 (The World Compass 2000年3月号掲載)


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