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読売新聞 2003年12月27日付朝刊掲載
「厳しい」生活実感 鮮明に
−「消費」に関する全国世論調査へのコメント−

 消費者の「厳しい」生活実感が鮮明になった調査結果である。現在の生活を「不満」と答えた人は46%と、昨年2月の前回調査から11ポイントも増加している。政府の景気判断や日銀短観の業況判断DI(企業の景気判断を指数化した指標)が「回復」を告げているのとは対照的だ。これまでの景気回復が生産者にとってのものであって、消費者に実感されるまでには至っていないということだろう。
 近年の経済動向は「不安感」に大きく左右されている。現在の企業レベルでの景気回復も、イラク戦争や新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)といった世界的な不安材料が一応の決着を見たことで始まったものだ。しかし、雇用の不安定化や年金の問題など、消費者に身近なレベルでの不安感は依然として解消されていない。調査結果からも、老後を含む将来への不安が、支出を抑える主因であることが読み取れる。
 企業間競争の激化や高齢化の進行は避けようがなく、消費者の不安感が完全に払拭されることはないだろう。しかし、年金や税制の問題をはじめ、将来の負担増と受益減を具体的なイメージとして提示していくことが、人々の過剰な不安感を取り除き、消費の活性化につながるものと考えられる。

現在の生活に対する満足度
・調査日:2003年12月13日、14日
・実施方法:個別訪問面接聴取法
・対象者:全国の有権者3,000人
・有効回収数:1,911人



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